一層此の世何て無く成ればと念うけれど
此の世続く幾度涙を流そうと
血迷いさ迷いふと正気に戻る
そんな私は何も知らな過ぎる
後も無く先も無く今日添えも生きられず
自分の道添え今は見失って
此処は何処だろうと六道別れ道
怒りを覚えた別れ路
私丈の此の世だとそうずっと思って居た
自分は業に塗れて居る
事も知らずに彼の世に着いた
死んで私は修羅の道
池に浮かぶ所業が沈む頃に
針の山にも所業が刺さって居る
更に打たれそして打たれ傷だらけの
苦しみ死んでも繰り返す
其れ相応の罰を受けて知った
人は人と居ないと駄目に成るんだと
他人の振りを見て自分を省みる
後生の為の情け心
私丈の此の世では無いと解って居れば
自分の業に塗れず
生きて行けたのかも知れない
悟る事無く死出の旅
参考元
鈴木一平
「水鏡」